聖観音立像

説明文
 顕密両経典ともに聖観音を説き、いわゆる変化観音とは区別している。正観音ともいい、一般に観音といえばこの観音を指す。  世の音を観ずるので観世音。世の音とは一切衆生の心の声ということであろう。しかも自在に観て済度するということで観自在ともいわれる。仏教の慈悲を表す代表格の仏。  大安寺の聖観音は、榧の一材から頭部より台座まで彫り出された一木彫。顔はやや下つぼまりになっていて、静かな温容であり、いかにも聖観音と呼ぶのにふさわしい静謐な姿である。肩巾の広い充実した体容はどっしりとした安心感を与えてくれる。  左手の持物はなくなっているが、右手は垂れて与願印を結ぶ。胸部にニ連の胸飾りは連珠と瓔珞が見事にあらわされ、唐代長安の貴婦人が着飾った様式を伝えているともいわれている。
対象名称聖観音立像
読みショウカンノン・リュウゾウ Sho-Kannon-Ryuzo
時期天平時代 8世紀半ば以降
文化遺産国指定重要文化財
造形者-
素材木像
対象仏像
形態-
形状176.0cm
位置菩薩
場所奈良市大安寺
宗派高野山真言宗
建物讃仰堂

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